その中古マンション耐震性は? クローズアップ現代感想
マンション価格が高騰する中、中古マンションをリノベーションして住む方が増えています。ちょうど先日NHKのクローズアップ現代で中古マンションの耐震性について特集されていたので、その内容と番組の感想についてまとめました。
先日のNHKのクローズアップ現代は
「その中古マンション耐震性は? 住んでいる人もこれから買う人も」
と題して、マンションの耐震化問題についての特集でした。
東京23区で新築マンションの平均価格が1億円を超えるなか、人気を集める中古マンション。ただ気をつけたいのが耐震性。1981年以前の基準で建てられた「旧耐震」の建物の中には震度6以上の地震で損壊や倒壊の危険性があるものも。倒壊すれば、住民の命に危険が及ぶだけでなく、地域の救援活動に支障を来す恐れも。購入時に気をつけるポイントは?耐震化を進める方法は?暮らしの安全を社会全体で支える仕組みを考える。
「旧耐震」というワードについてはよく聞くけど、正直よく分からないかも・・・。
番組を見て耐震化について改めて知る事ができましたし、耐震化が進まない現状や理由、打開策についても特集していたので記事にまとめてみました。
中古マンションを選ぶ場合は旧耐震基準かどうかがポイント
1981年以前は旧耐震基準で建てられたマンションなので震度5までしか耐えられないそうですが、現在の耐震基準だと震度6まで耐えられるように法改正されています。
旧耐震基準 | 1981年(昭和56年)以前 | 震度5まで |
新耐震基準 | 1981年(昭和56年)以降 | 震度6まで |
旧耐震基準のマンションの場合、震度6以上の揺れで損壊や倒壊のおそれがあるということ!
なので、中古マンションを選ぶ場合は、1981年以前の旧耐震基準で建てられてたマンションかどうか?
さらに、旧耐震基準で建てられた場合は、その後、耐震化を行っているかどうか?
が選ぶポイントになります。
耐震化については後述しますね。
不動産を購入する場合は、エージェント(不動産会社)による告知義務があるそうなんですが、業者によってまちまちで、きちんと危険性も含めて案内していない会社もあるようです。
不動産屋さんも売るのに必死なんだろうけど、
それは怖いね・・・。
ちなみに我が家のマンションも中古で購入しましたが、新耐震基準です。
古い団地のようなマンションのリフォームにもちょっとあこがれたけど、やっぱり古すぎるのは怖かったので築浅のマンションを選びました。
全国のマンションの7戸に1戸、103万戸が旧耐震基準
現在、全国のマンションの7戸に1戸、103万戸が旧耐震基準のまま。
さらに、東京23区内だけでも、少なくとも859棟のマンションで震度6強以上の地震が起きたときに倒壊などのおそれがあるとのこと。
さらに、その中には、災害時に救急車や消防車などの緊急車両が通行する特定緊急輸送道路に面しているマンションも多数あるようです。
え?もしそのマンションが倒れたら、その重要な道路が封鎖されちゃうってこと?
そうなんです。もし地震が起きた後、道路が封鎖されてしまったら、緊急時にもかかわらず、災害場所への行き来が困難になってしまいますね。
なんで耐震化がすすまないの?
耐震化が進まない理由は、ずばりお金の問題。
耐震化工事は結構お金がかかるんだそうです。
ウチの築浅だったマンションでさえ、大規模修繕費に向けて積立金が足りず、修繕積立金が値上がりしてヒーヒー言ってる状態です。
修繕積立金についてはこちら↓
さらに耐震化まで・・・となるとお金が足りないのは当たり前ですよね。
マンションの耐震工事を進める場合は管理組合の3/4の同意が必要です。
それはハードルが高いね。
また、古いマンションに住んでいるのは年金で暮らしている高齢者の方も多く、それが耐震化がすすめられない原因の一つ。
耐震化が必要なのは分かってはいるけど、共有部分の修繕・それぞれのご家庭の生活で目一杯なのかなと思います。
我が家も同じですよー (T_T)
また、耐震診断を受けてしまうと、耐震化に対応していないマンションということで診断がついてしまいマンションの価値が下がってしまうそうです。
耐震スリット工法で安価に耐震工事が可能に
高額な耐震化工事のお金の問題を解決する打開策として、「耐震スリット工法」という工事方法が紹介されていました。
耐震スリット工法は、壁と柱を切り離して隙間を作り、地震の際に柱に加わる力を少なくして、柱が崩壊するのを防ぐことができるというもの。
従来の耐震工事より安価に実現できるそうです。
実は、耐震診断が始まってまだ20~30年。
特に初期の頃は現場でもまだ経験不足で、いろいろと試行錯誤しながら実施していたとのこと。
耐震診断って比較的まだ新しい分野だったんだね。
1億円→1,280万円の見積へ
とあるマンションでは、以前1億円かかると言われた耐震化工事の見積が、耐震スリット工法を採用することにより1,280万円まで抑えることが出たそうです。
え?それはすごいじゃん。
全部のマンションでその工事やろうよ!
でもね、残念ながら、そう簡単には行かないの!
「耐震スリット工法」はすべてのマンションに適用できる工事というわけではないそうです。
ただ、耐震スリット工法以外にも色々な工事方法も開発されているそうです。
今後は、より安く、より安全に耐震化ができるようになるかもしれませんね。
技術の進化に期待したいです。
以上、「その中古マンション耐震性は? クローズアップ現代」の番組視聴感想の記事でした。
中古マンションを選ぶ際の参考になれば幸いです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。